JR東日本東北応援団の後藤栄喜さん=伊藤絵里子写す
JR東日本仙台支社設備部の後藤栄喜さん(46)は1回戦、11年ぶりにスタンドの興奮を味わった。今年は「外野席まで一体感のある新しい応援でチームを勝利に導こう」が社の方針。そんな中、かつて仙台市(JR東日本東北)の応援団のリーダーを務めた腕を買われ、さっそく外野席の応援指揮を任された。
最初に応援団に加わったのは92年。当時、野球部はなかなか白星に恵まれず、連続不出場記録を更新中。予選のスタンドからは「何やってんだ」とやじや怒声が飛ぶことも珍しくなかった。「それだけみんな、期待しているんだ」。後藤さんはそう感じた。
53年ぶり出場を決めたのはその3年後の95年。チームは生まれ変わったように勝ち進み、一気に8強入り。リーダーを任された後藤さんは、スタンドの応援ステージで声を張り上げ、全身を使って2万人を指揮した。試合後は腕が上がらないほどへとへとになったが、スタンドの熱気は生涯忘れることはない。
転勤や異動が重なり、応援団からは遠のいていた。今大会での久しぶりの応援は「耳に届く音がずれる。ドームの広さを改めて感じた」。
1回戦の応援は、応援団コンクール後期賞の優秀賞に輝いたほどの出来栄えだった。2回戦の1日は、仕事の都合でドームに行けない。「また応援に行きたい。絶対に勝ち進んで」。応援でからした声で話す。【伊藤絵理子】