スノーボードのワールドカップ(W杯)富良野大会第2日は17日、北海道・富良野スキー場で男女スノーボードクロス(SBX)があり、日本勢は決勝トーナメント(男子は予選の上位32人、女子は同16人)に、女子でトリノ五輪7位の藤森由香(JWSC)と土井奈津子(クルーズ)が進出。藤森は準決勝で敗退したが5~8位決定戦の結果、7位に入った。土井は1回戦で敗れて13位。男子の日本勢はすべて予選落ちした。
優勝は男女ともカナダ勢で、女子はメール・リカーがSBXで01年1月以来となるW杯通算4勝目。男子はドルー・ニールソンが同7勝目を挙げた。今季W杯のSBXは雪不足などでこれまでの4戦すべて中止になっており、今大会が初戦だった。
◇「アクシデントで…」…藤森の表情晴れず
決勝トーナメント1回戦、スタート直後に転んで最下位と出遅れた藤森。だが、2番手と3番手の選手が接触した間に2人を抜いて2位に。準決勝敗退後の順位決定戦も転倒した先行選手を、最下位から抜いて3位となった。「アクシデントで順位を上げていた」。W杯2度目の準決勝進出にも、表情は晴れなかった。
1人で滑ったタイムを争う予選は14位。4人で滑る決勝トーナメントもすべてスタート時は出遅れた。「(予選)タイムもぎりぎりだし……」。スピード不足などの課題は自覚している。
トリノ五輪後は基礎を見直した。体の軸をしっかりボードに据えることなど「初心者への講習みたいなものからやり直した」と日本チームの楠木孝司・SBXコーチ。トリノでも先行選手の転倒などで準決勝に進んだが、「幸運だったと本人も分かっている」と言う。
「苦手のバンクで滑りが安定して来た」と手応えも感じている20歳の藤森は「もっと上に行きたい」。運に頼らない実力を4年かけて培い、10年五輪はメダルを狙う。【飯山太郎】
○…昨年1月以来のW杯の優勝となったニールソン。「ゴール前の三つのジャンプ台に入る時、後ろの3人を見る余裕があった。その時に勝利を確信したよ」と圧勝に満足顔。予選を1位で突破し「そのまま絶対勝ってやろうと思っていた」。地元での10年バンクーバー五輪のスノーボード会場までは、カナダの自宅から車で約20分と言い、「それまでは頑張りたいね」。3年前に開かれた新潟でのW杯でも優勝している32歳のベテランは上機嫌だった。
毎日新聞 2007年2月17日 18時37分 (最終更新時間 2月17日 20時34分)