三菱重工業は14日、米電力大手のテキサス電力から、出力170万キロワット級の大型原子炉2基の建設を受注することが内定したと明らかにした。受注額は最大6000億円に達する見通し。日本企業では日立製作所が米ゼネラル・エレクトリック(GE)と組んで米国内で別の原発建設の商談を進めているが、原発建設を単独で受注するのは初めてで、国内で独自開発した原子炉を海外輸出する初のケースとなる。
受注が内定したのは、米テキサス州ダラス郊外で稼働しているコマンチェピーク原発の増設プラント。テキサス電力は三菱重工製原子炉の採用を決めて米原子力規制委員会に通知。今後、実際の建設の許可を申請する。許可取得には3~4年かかり、運転開始は15年ごろになる見通し。
採用が決まった原子炉は、世界的にも主流の加圧水型軽水炉の一種で最新型の「US-APWR」。米国政府は79年のスリーマイル島の原発事故以来、原発建設を凍結してきたが、原油高を受け新規建設容認に方針転換。三菱重工は国内向けに開発した「APWR」を米国の安全基準に対応させ、米国内で売り込みをかけていた。【三島健二】
毎日新聞 2007年3月14日 10時47分