有田が誇った人間国宝2人の代表作がならぶ会場=福岡・天神の福岡三越
現代の有田陶芸界を牽引(けんいん)した先人2人の名品が出会う「十三代今右衛門×十四代柿右衛門」展(朝日新聞社など主催)が5日、福岡・天神の福岡三越で始まった。10日まで。
佐賀藩が誇る色絵磁器「色鍋島」を発展させた故・13代今泉今右衛門、17世紀の欧州で名声を博した「柿右衛門」を受け継いだ故・14代酒井田柿右衛門。いずれも人間国宝として、佐賀県有田町で伝統を踏まえながら現代感覚あふれる磁器を生み出した名匠だ。
会場には2人の代表作など100点余りが並ぶ。重厚な趣をまとう今右衛門の花瓶や、鮮やかな赤い花々が白地に映える柿右衛門の鉢など、逸品の数々が訪れる人の目を楽しませていた。
あいさつに立った当代の14代今右衛門さんは「2人の作品を一堂に見られるのは有田焼創業400年の象徴のようで、うれしく思います」、15代柿右衛門さんは「父は福岡を拠点にしていたので、多くの人に思い出していただければうれしい」と話していた。(編集委員・中村俊介)