小田急箱根グループ10社は1日、箱根の景観を多角的に楽しむ企画の事業を中心に、総額100億円規模の大型投資を実施すると発表した。2018~20年度に、箱根ケーブルカーの駅舎改築、箱根ロープウェイの新型ゴンドラ導入、新型観光船の就航を推進。心地良い空間で雄大な景色に感動する観光をめざす。
ロープウェイへ乗り継げるケーブルカーの早雲山駅は建築費約24億円で建て替え、2階の開放的なテラスに足湯を設ける。温泉の恵みを感じながら、大文字焼で知られる明星ケ岳や相模湾の雄大な景色を展望する施設になる。2020年春にオープンする予定。
ロープウェイはスイスCWA社の新型ゴンドラ「タリス」20台を早雲山―大涌谷駅間に導入。現在の車体よりも高さが20センチ、幅は10センチ長く、大きなガラス面から、白い噴気がもうもうと立ち上る大涌谷を見下ろせる。製造費は約15億円。21年4月から運行する予定。
大涌谷駅には富士山を展望できる待合室(約175平方メートル)を新設する。18年12月にオープンの予定で、富士山に関心が高い外国人の話題のスポットになることが見込まれる。火山防災用品を備え、緊急時の安全確保にも役立てる。
箱根観光船は、工業デザイナー水戸岡鋭治氏の設計で新型海賊船を建造する。「上品な空間の居心地の良さを追求した」と岡本裕之社長。船内の展望室は床から天井まで温かみのある木材を配し、落ち着いた雰囲気の空間から湖畔の風景を見る。建造費約12億円。19年4月に就航する予定。
電車やケーブルカーを利用でき…