受験をめぐる物語を漫画で――。2020年の大学入試改革に向け、東大合格を目指す高校生の姿を描いた漫画の続編「ドラゴン桜2」(講談社)、中学受験を描く漫画「二月の勝者」(小学館)が雑誌でそれぞれ連載されるなど、漫画界も改革の動きに敏感に反応している。「ドラゴン桜2」作者の三田紀房(みたのりふさ)氏(60)に聞いた。(平岡妙子)
「普通の子」に可能性
――いま、なぜ続編を描こうと思ったのか。
2020年の大学入試改革で形式が変わる。対策が必要で、新しい戦略が求められる。新たなチームを作って、様々な取材を重ねて対策を研究しながら描いている。
――前作との一番の違いは何か。
前作は「偏差値30からの東大」というアクロバティックで裏技的なものが必要だった。今回は偏差値50の受験者層が多いボリュームゾーンをターゲットにしている。普通の学力の子が、ちょっとした心構えやメンタルをトレーニングすることで成績は上がっていく。すごい人はもちろん多くいるが、全部ではない。少しでも上に行きたいという意欲がある子に対して、勉強のやり方次第で可能性が広がることを伝えたい。特別な人でなければ入れないという価値観を変えたい。
――どんな取材や研究をしているのか。
文部科学省や大学入試センター…