夏の登山シーズンを迎えた富士山で、ひと味違った楽しみ方が広がっている。5合目から山頂までの「渋滞」が常態化するなか、5合目以下で自然や街並みを堪能するルートが人気を集めているという。
富士山の夏山シーズンは7月に始まり、9月初旬まで続く。今年も7月に入ってから山梨側、静岡側が相次いで山開きし、大勢の登山者が集まった。
海外からの観光客の影響もあり、登山者は年々増加している。環境省の調査によると、2005年に20万人だった8合目の通過人数は、08年ごろから毎年30万人前後になっている。13年に世界文化遺産に登録された後も、国連教育科学文化機関の保全状況報告書が「神聖さを阻害している」と指摘したほどだ。
そうしたなか、関心を集めているのが5合目以下を歩くルートだ。登山ツアーのガイドをしている野中径隆さん(39)は10年ほど前に、1合目を出発して5合目まで登るツアーのガイドを始めた。特に2回目、3回目の登山に挑戦する人の間で人気が高いという。
野中さんによると、5合目以下…