全日本剣道連盟(張富士夫会長)は17日、居合道の昇段審査などの際、受審者が合格させてもらう目的で審査員に現金を渡す不正があったことを明らかにした。全剣連は「不適切な慣行が古くから存在していた」と説明し、不正が横行していた実態を認めた。
居合道には初段~八段の段位のほか、「錬士」「教士」「範士」の三つの称号がある。全剣連によると、2012年に最高位の範士の審査を受けた男性が審査員ら7人に計100万円を渡していた。全剣連は審査員らを資格停止などの処分としたが、「潔く授受を認めた」として処分を猶予した。16年には八段の審査を受けた男性が審査員への働きかけを目的に自分の指導者に約200万円を渡したという。
また、別の男性が範士の審査で650万円を関係者に要求されたとして、6月に内閣府公益認定等委員会に告発状を出したが、全剣連は「証拠がなく、確認できていない」としている。