英政府は22日、ペットショップなどで生後6カ月未満の子犬や子猫の販売を禁止する方針を発表した。劣悪な環境で販売用の子犬や子猫を繁殖させる悪質な業者が問題になっており、販売を禁止することで排除するのが狙いだ。
禁止するのは、ロンドンなどイングランドが対象。禁止について国民から意見を求めたうえで法案を議会に提出する。実現すれば、子犬や子猫が欲しい人は、正式に許可を得たブリーダーで購入するか、保護施設から引き取ることになる。
ゴーブ環境相は「ペットの幸福を完全に無視してきた者たちは、ひどい取引によって利益を得ることはもうできなくなる」としている。
親元から生後間もない時期に引き離すことで、子犬や子猫が病気にかかったり、問題行動を起こしたりするリスクも指摘されている。販売禁止によってペットの健康状態の改善につながる効果も期待される。
英国では5年前、長年ケージに入れられて健康状態が悪化した犬が救出されて悪質な業者の実態が明らかになり、子犬の販売禁止を求める署名運動が起きていた。(ロンドン=寺西和男)