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公平性は?作業量は? 大学入試の調査書活用、悩む現場

2020年度から始まる大学入試改革の一環として、文部科学省が一般選抜でも高校の調査書を積極的に活用するよう求めている。受験生を多面的に評価するための試みだが、高校が生徒の日常の活動をどう記すのかや、大学がその記述をどう評価するかなど、課題は多い。(編集委員・氏岡真弓)


「調査書をどうすれば公平公正に、教員のスキルの差によらず適正な形で作れるのか。現場の関心は、そこに集中している」


都立白鷗高校の善本久子校長は今夏、生徒の学習評価をめぐる文科省の有識者会議でこう発言した。


今回の入試改革には、知識だけでなく「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」も評価しようという狙いがある。文科省は昨年、各大学に対して、受験生の多い一般選抜でも調査書を積極的に活用し、活用方法を募集要項に明記するよう求めた。調査書の枚数は無制限とし、高校にも特技や部活動、取得資格などを具体的に書くことを促している。


文科省大学入試室の担当者は「高校3年間の学びの過程を、入試で見ない手はない。各大学の方針に則した評価手法を考えてほしい」と語る。例えば入試で教科の点数が並んだ時に調査書を比べたり、特定の活動について加点したりすることが考えられるという。


だが、高校からは戸惑いの声が聞こえる。香川県立観音寺第一高校の石井裕基教諭は「どんな活動をどう記すかは、教員の判断によって変わり、一律に評価できないのでは」と話す。愛知県の高校教諭は「教員によって記述量が違うと不公平になりかねず、頭が痛い」と打ち明ける。


20年度の入試を受ける生徒は既に高校に入り、1年の1学期も終わっている。京都府立高校の教諭は「記述欄が増え、枚数が無制限となると、高3の秋はいったいどんな作業量になるのか」と心配する。都立高校教諭も「大学ごとに活用方法が違うと書く力点も変わり、大変だ」と語る。


■大学側はも「混乱広がる」…


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