線路わきの畑に倒れていたお年寄りを列車を止めて運転台から救助に向かったとして、長井署は29日、JR東日本山形運輸区の主任運転士武田航さん(37)ら2人に感謝状を贈った。
署によると、8月1日午前10時50分ごろ、武田さんはJR米坂線新潟発米沢行き快速列車を運転中、山形県飯豊町小白川で男性が畑であおむけに倒れているのを発見。列車を緊急停止させ、ワンマンカーのため「急病人の方がいるので救助に向かいます」とアナウンスして、列車から降りて救護にあたった。近くで無人駅を巡回していた村上駅助役の高沢光秋さん(58)も連絡を受けて現場に。氷を運んだり、救急車を誘導したりした。
男性は80代の高齢者。軽い熱中症で命に別条はなかった。列車は約20分間停車したが、約50人の乗客から苦情はなかったという。武田さんは「運転士歴15年になるが、今回のような経験は初めて。人命第一と思っての行動だったが、理解してくれた乗客の皆さんに感謝したい」と話した。阿部喜彦署長は「列車の遅れを顧みない勇気ある行動に感謝したい」と述べた。
JR東日本は「緊急時には、自らの判断で安全と認められる行動を取るよう指導している。ご迷惑をおかけしたが、誤った判断ではなかった」としている。