熊本県人吉市内の歴史的建築物を飲食や宿泊施設などに活用して地域を活性化しようと、同市とJR九州熊本支社、肥後銀行などが22日、JR肥薩線の無人駅に残る旧施設をレストランやホテルに改修する計画を発表した。JR九州管内では初の試みという。
レストランは大畑(おこば)駅の旧保線詰め所(1909年建築)を改修し、9月8日に開業する。囲炉裏を使って郷土料理やフランス料理を融合した食事を出すという。ホテルは隣の矢岳(やたけ)駅に残る旧駅長官舎(同年建築)を改修し、来年3月に開業する予定。
古民家再生事業を手がける企業「NOTE(ノオト)」(兵庫県篠山市)の関連会社がレストランとホテルを運営する。人吉・球磨地域にある約550の古民家から大畑と矢岳を選び、肥後銀行などが約8千万円の融資を決めた。運営担当者は「線路が山の中を通る昔ながらの風景を眺めながら、食事や宿泊を楽しんでほしい」という。(村上伸一)