火事に遭っても焼け落ちなかった鈴が、福岡市西区の太郎丸神社にある。九州大の伊都キャンパスにほど近いこともあり、神社や地元は「落ちない鈴」としてアピールに乗り出した。
太郎丸神社の起源は江戸時代前とされる。そんな由緒ある神社が焼けたのは2016年2月2日の夜のこと。当時、周辺の神社では10件近い不審火が相次いでおり、放火されたとみられている。約70平方メートルの本殿と拝殿は全焼した。
一夜明けた境内で、氏子総代長の冨永一規さん(71)は、黒こげの木の柱にぶら下がる直径約30センチの鈴に目を奪われた。
「焼けて真っ赤になっていたけど、落ちとらんかったけん、驚いたんよ」
さて、この鈴をどうしようか―…