カメラを中心に、上下左右が一度に撮影できる「360度」カメラ。旅先やパーティー、スポーツシーンなどの不思議な画像を、SNSで広げたい。そんな若者世代の心をつかんでいるようです。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
360度カメラには、1枚のレンズで半球状に撮影できる「半天球」と、2枚のレンズの映像を合成することで上下左右360度のすべてを撮影できる「全天球」のタイプがある。
撮影の仕方や対象次第で、自分でも予想しないような映像に仕上がることもある。例えば乗り物に乗りながら撮影すれば、通り過ぎた後ろの景色まで撮影しているので、自分の目では見えなかったものまで映っているかもしれない。
ヨドバシカメラマルチメディア梅田(大阪市)の売り場担当の山口勇樹さん(30)は、「人とは違った映像をSNSに投稿したいと、旅行前に買い求める人が増えています」という。同店では2階の売り場に360度カメラのコーナーを設けている。
動画も高画質な4K以上で撮影できる機種が増えた。スキーや自転車など激しい揺れを伴う状況でも、進化した手ぶれ補正機能で「見やすい映像」になるなど映像の品質がどんどん向上してきている。
GoPro(ゴープロ)、ガーミンなどの本格派は10万円に近いが、リコーやサムスンなど2万~3万円台の価格帯のものもある。
山口さんは、「画像の保存は内蔵のメモリーか、SDカードなどの記憶媒体か。連動するスマホのアプリは充実しているか。充電のしやすさや予備バッテリーはあるかなど、撮影以外の使いやすさも含め、予算と相談しながら決めて欲しい」とアドバイスする。
どんな映像が撮れるのか、実際に手にとって試してみてはいかがですか。(金井和之)
操作もSNS投稿も簡単
リコーの「THETA(シータ) V」は、簡単なボタン操作で360度を撮影できる。約120gと軽量で、LINE(ライン)やツイッターなど多様なSNSへの投稿も簡単だ。4Kの高画質動画を連続して25分間撮影できる。4万8110円。
防水OK 海や雪山に
GoProの「Fusion」は、スポーツ中など激しく揺れる映像を撮影するアクションカメラの機能を持ちつつ、5.2Kという高画質で360度映像の撮影を可能にした本格モデル。水深5mに耐える防水機能を備え、海や雪山などアウトドアでも気軽に利用できるのも魅力の一つだ。8万150円。
軽く、手ぶれしにくい
シンセン・アラシ・ビジョンの「Insta360 ONE」は、本体の重量がわずか82g。4Kの高画質動画の撮影が可能。手ぶれ防止機能に優れる。ストラップに取り付けたカメラを回しながら撮影しても、クリアな画像が撮影できる。4万2720円。
GPS内蔵で高画質
ガーミンの「VIRB 360」は、編集ソフトを使えば最大5.7Kの高画質画像の撮影も可能だ。内蔵するGPSや別売りのセンサーを使うことで、移動した軌跡や速度、気温といったデータも映像中に表示できる。録画の開始や停止などの操作を音声で操作できる機能も備える。9万9800円。
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売れ筋ランキング
①THETA V(リコー)4万8110円
②THETA SC(リコー)2万4300円
③Fusion(GoPro)8万150円
④Insta360 ONE(シンセン・アラシ・ビジョン)4万2720円
⑤VIRB 360(ガーミン)9万9800円
※ヨドバシカメラマルチメディア梅田で、8月15日までの1カ月間に販売した販売数。価格は税込み店頭価格。(きりとりトレンド)