世界的なスキーリゾートのニセコ地区を抱える北海道倶知安(くっちゃん)町は、宿泊税を導入する方針を固めた。宿泊料金の2%を2019年11月から徴収する条例案を、近く町議会に出す。率を定める宿泊税は実現すれば全国で初めて。町内での宿泊料金に上乗せされる。
自治体の宿泊税は東京都と大阪府が導入済みで、京都市や金沢市も導入を決めたが、いずれも1人1泊あたり数百円の定額制だ。
倶知安町の定率制は、高級ホテルに泊まる人からは多額の徴収をすることになり、税収は年3億円ほどを見込む。東京都並みの定額制を導入した場合より1億円ほど多い。渋滞対策や交通網の整備にあてる考えだ。
対象はホテル、民宿、ペンションのほか、コンドミニアムや民泊も含む。飲食などを除いた料金に課税する。小中高校の修学旅行は届け出があれば非課税とする。
倶知安町の昨年度の宿泊客延べ数は127万人。このうち43万人は外国人で前年より2割増えた。冬は道路の渋滞やスキー場を結ぶバスの不足などが深刻になっている。(佐久間泰雄)