25年ぶりに非常に強い勢力を保ったまま日本列島に接近した台風21号。日ごろ大勢の買い物客や観光客らでにぎわう大阪・梅田では、百貨店やグランフロント大阪、ルクア大阪などの商業施設が軒並み終日閉店となった。人通りは少なく、地下街も閑散としていた。
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いつもなら午前10時の開店と同時ににぎわう阪急百貨店には、休業を知らせる貼り紙が出ていた。近くの保険関連会社に勤める数野紀子さん(45)は「平日のこの時間の梅田とは思えない」と驚いた。
観光地も休業が相次いだ。大阪市浪速区の通天閣では、展望台入り口のシャッターが下ろされ、臨時休業の貼り紙が出ていた。観光客らでにぎわう新世界周辺の人通りもまばら。通天閣で客待ちをしていたタクシー運転手(73)は「人がいなくて今日は商売にならない」と嘆いた。
世界遺産の二条城(京都市中京区)も終日休みとなった。台風の接近で終日休みになるのは2004年8月以来。東京都足立区から来た主婦(65)は「午前中だけなら大丈夫かなと思って来たけどだめでした。残念。また明日、リベンジします」。松山市から訪れた女性(64)は「ショック。今日はどこも休みばかりで、ホテルに缶詰めになりそう」と話した。三千院(京都市左京区)は朝に開門したが午前11時に閉じた。清水寺(同市東山区)も午前11時半に閉門した。
鴨川沿いの納涼床で飲食できる京都市内の店の多くも休業した。川崎市の専門学校生の女性(20)は「繁華街の先斗町のかいわいがこんなに静かだなんて驚いた」と話した。
公的機関にも影響が出た。裁判所では期日の変更が相次ぎ、大阪高裁と大阪地裁で予定されていた判決言い渡しなどが延期や取り消しになった。弁護士らの出廷が困難になることなどから、京都地裁では半数以上の裁判が中止になった。