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静岡サッカー界も動揺 スルガ銀の創業家、大きな影響力

東京から東名高速で約1時間。富士山と駿河湾を望む静岡県長泉町の山麓(さんろく)に、敷地300坪(約1千平方メートル)級の邸宅約400戸が並ぶ。高級住宅地「スルガ平」。テニスコートやゴルフ場、レストランもあり、「静岡のビバリーヒルズ」とも呼ばれる。


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スルガ銀行創業の地・静岡県沼津市に隣接するこの地では、1970年代に住宅開発が始まった。分譲する不動産会社の代表は、スルガ銀創業家出身の岡野喜平太氏。融資不正問題で7日、スルガ銀会長兼CEO(最高経営責任者)を辞任した岡野光喜氏の実弟だ。


開発された土地にはスルガ銀の情報計算センターや研修施設が整備された。隣接する「クレマチスの丘」には美術館なども並ぶ。光喜氏の父の元スルガ銀頭取・喜一郎氏が収集したフランス人画家の作品を展示するベルナール・ビュフェ美術館、喜一郎氏と旧制沼津中で同窓だった作家・井上靖の文学館がある。


長泉町の池田修町長は「スルガ平とクレマチスの丘がなければ、長泉はどこにでもある普通の町だった。岡野家にこの地を選んでもらって幸運だった」と語る。


スルガ銀の前身の貯蓄組合は1887年、旧青野村(現沼津市青野)で岡野喜太郎氏が創業した。多額の寄付や奨学金開設の功績で、同氏は沼津市初の名誉市民となり、市役所や市内の公園には銅像も立つ。


直近まで経営トップにあった光喜氏は喜太郎氏のひ孫にあたる。学生時代サッカー部だったこともあり、サッカー王国・静岡の銀行として競技を熱心に支援した。天皇杯の特別協賛などのほか、元日本代表の中山雅史選手も所属するJ3チーム「アスルクラロ沼津」のスポンサーでもある。


光喜氏は2002年から静岡県サッカー協会会長も務める。協会幹部は「静岡サッカーとの関わりも深く、影響はどこまで及ぶのか」と気をもむ。


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