ゴーッとうなりを上げながら暴風が吹き荒れ、バチバチと雨が窓をたたく。台風24号の暴風域に入った那覇市は、29日未明から大荒れの天気になっている。
【タイムライン】台風24号の最新情報まとめ
台風24号、沖縄を暴風域に 1日に本州縦断の可能性
建物の外に出ると、一歩も前に進めない強烈な向かい風。歩行者は顔を背け、カニ歩きのように進むのがやっとだった。
家電は高いところへ・風呂に水をはる 台風接近時の備え
都市部を襲う風水害 どう備えれば
交通量の多い国道58号も、走っている車は少なく、時々、消防車がサイレンを鳴らしながら通るだけ。出歩いている人はほとんどいなかった。
那覇空港は台風の影響で、29日発着予定の国内線、国際線の約320便が全便欠航した。空港へのモノレールやバスも運休になり、ターミナルビルも終日閉鎖に。空港ビル会社の職員は「お客様に来ていただくのも危ない状況。安全性を考えて閉鎖を決めた」。
沖縄電力によると、29日午前11時現在、沖縄県内の約28%にあたる16万4210戸で停電している。台風の通過を待って復旧を進めるという。
30日に投開票される沖縄県知事選。29日は各陣営が最後の訴えに充てる予定だったが、街頭でのすべての遊説を中止した。選挙事務所にも数人のスタッフが待機しているだけという。陣営関係者は「この状況で使えるのは電話とSNSくらいしかない」と話した。