文化審議会は19日、琉球王家の陵墓「玉陵(たまうどぅん)」(那覇市)を国宝に指定するよう文部科学相に答申した。沖縄県では首里城正殿などが国宝だったが太平洋戦争で焼失し、戦後できた文化財保護法のもとでは県内の建造物として初めての国宝指定となる。「大前(おおさき)神社」(栃木県真岡市)や「武知家住宅」(徳島県石井町)など9件の重要文化財指定も答申した。
玉陵は首里城を居城とした琉球第二尚(しょう)王統の歴代の陵墓で、1501年に築造された。首里城跡などとともに世界文化遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」を構成する。石垣で囲まれた敷地の奥に3棟の墓室が並び、遺体を安置して白骨になった後に洗ってから納骨する琉球の葬送慣習を伝える。東アジアで独自の発展をした琉球の建築や葬墓制を象徴し、深い文化史的意義があると評価された。
大前神社の本殿は1707年に建てられた。組物の龍彫刻や柱や壁への幾何学的な地紋彫りなど先駆的な手法で飾られており、日光に次いで、関東で装飾建築が普及していく先駆けとして高い歴史的価値があると認められた。
武知家住宅は藍製造で栄えた吉…