鳥取県八頭町議会の県外視察で、JR社員が特急の自由席の席取りをして、町議ら8人を座らせていたことがわかった。指定席の手配ミスをした社員が自発的に席を確保したという。
町議や議会事務局によると、視察には総務教育委員会の町議7人と事務局員1人が参加。8人は今月18日朝、鳥取発岡山行きの特急スーパーいなば(2両編成)に町内の郡家駅から乗車した。乗り込むと、JR社員らに「こっち」と声をかけられ、確保された自由席に座ったという。
JR西日本米子支社によると、旅行会社を通じて指定席の予約を受け、いったんは確保したが、社員が誤って取り消した。指定席は満席で、ミスをした社員が勤務時間前に、旅行会社の社員と2人で始発の鳥取駅から次の停車駅の郡家駅までの8分間、自由席に乗り、荷物を置くなどして8席分を確保した。自由席は鳥取駅を出発した時点で満席で、乗客約10人が立っていたという。
議会事務局によると、前日に受け取った切符は自由席だったが、旅行会社の社員から「席は確保してある」と伝えられたという。乗車した委員の一人は「指定席だと思っていたが、岡山駅で自由席だとわかった。途中で何か変だと気付いたがそのままにしてしまった。恥じている」と話した。乗客から同僚議員に批判が寄せられたという。
JR西日本米子支社の広報は「お客様に公平な取り扱いができずに不快な思いをさせてしまったことをおわびする。社員指導を徹底して、再発防止に努めたい」と説明している。(斉藤智子)