東京都は、かつて子ども向けの遊び場や文化活動の拠点で、2015年に閉館した旧「こどもの城」(渋谷区)の土地と建物を国から買い取るため、来年度予算案に約610億円を計上する方針を固めた。20年東京五輪・パラリンピックでボランティアの拠点として活用した後、生涯学習などに使える「都民の城」として再整備する計画だ。
こどもの城は1985年に国立総合児童センターとして開館した。約1ヘクタールの敷地にたつ地上13階、地下4階建ての建物には造形スタジオ、保育室などがあり、青山劇場も併設されていた。
国は都に売却を打診し、都も都立広尾病院の移転先として約370億円で購入する計画を立てたが、都医師会の反対などで昨年9月に撤回。それでも都は「民間企業の手に渡ると周辺の都有地との一体整備ができなくなる」(幹部)と、建物の活用を前提に購入する方向で検討し、内閣府と購入の交渉を進めてきた。
五輪後には、100億円以上か…