奈良県宇陀(うだ)市議会は5日、市内の近鉄榛原(はいばら)駅北側で進めてきた宿泊事業者誘致・公園整備事業の賛否を問う住民投票条例案を賛成多数で可決した。投票日は12月16日。投票率が50%に満たないと開票されない。
事業は市の保養センターの老朽化に伴い、計画された。市有地など約7万平方メートルの用地を造成して、宿泊事業者に施設を建てて経営してもらい、隣接地に公園を整備する予定だった。事業者は一般財団法人休暇村協会(東京)に決まっている。市議会(定数14)が2年以上前から審議し、関連の予算案を可決してきた。
しかし、今春の市長選で当選した元新党さきがけ職員で市議も務めた高見省次市長が、公園整備の縮小、宿泊事業者誘致の断念を表明。概算で25億円の事業費が30億円を超える可能性があるなどとして、休暇村協会と結んだ協定の取りやめを示唆した。これに対し、多くの市議が納得せず、住民投票条例案が議員提案された。(石川和彦)