国内最大の公募美術団体展「日展」が25日まで東京・六本木の国立新美術館で開かれている。5部門のうち洋画と彫刻の2部門で入選したというイラン人男性から、「母国やイラン人にとって明るいニュースになると思う」と連絡をもらった。110年の歴史がある公募展で外国人の複数受賞はとても珍しい。聞けば、普段は「爆盛り」料理を出す居酒屋店主だという。そのミスマッチ感にひかれ、会場で会う約束をした。
その男性はコルドバッチェ・マンスールさん(54)。入選した油絵は、縦164センチ、横130センチの大作で、全身を覆う黒いチャドルをまといイスラム教の祈りを捧げる娘流光(るみ)さん(22)の姿を描いた。一方の彫刻は、鏡を見ながら自分の顔を石膏(せっこう)で作った。裸婦像が多く並ぶ入選作の中で、彫りの深い中年男性の顔をかたどった彫刻は迫力満点。マンスールさんは「父と娘。二つ合わせて『家族』がテーマ。油絵は黒い衣装が立体的に見えるよう、緑や赤など色んな色を使って工夫した。彫刻は、自分の鼻の彫りの深さを再現するのが大変だったよ」と笑う。
普段は東京板橋区にある居酒屋「花門」を経営し、午後6時から翌日午前1時まで働いている(火曜定休、ブログ
http://comeonkamon.seesaa.net/
)。あふれんばかりに盛られたサラダやから揚げなどの「爆盛り」料理を全品400円で提供し、テレビにも度々取り上げられている。
店を訪ねた。最初に頼んだサラ…