学生が歌い、踊り、演じる。全国的にもユニークな「歌劇団」を持つ女子大学が大阪にあります。プロの舞台をめざす人もいるほか、誰もが気軽にダンスやバレエを学ぶこともできます。掲げるテーマは「エレガンス」です。
「初めての人はステップを覚えて。右、左」。約10人がリズムにのって足を動かす。10月、大阪府茨木市の梅花女子大学に備えられたオープンスタジオで、ダンスの授業が行われていた。教養科目の一つ「エレガンス科目」の一コマだ。
エレガンス科目は、食文化学部など全4学部の学生が受講できる。少子化を受けて取り組んだ大学改革の一環で、2016年に授業の内容をリニューアルし、誕生した。科目には「女性と生命」「美しい日本語(書き方)」「世界のファッション」「ビジネスマナー実践」などが並ぶ。中でも特徴的なのが、バレエ、ダンス、ミュージカルといった芸術・身体表現の分野を用意していることだ。
講師陣は第一線を経験した面々が並ぶ。ダンスの講師蔡暁強(サイシャオチャン)さん(39)は、劇団四季などで多くの舞台を踏んだ。コンテンポラリーやアクロバットのダンスが専門だ。バレエの担当は海外でソリストとして活躍した坂本慶子さん(45)。
授業はもちろん初心者も受けられる。「新しい壁に挑戦する大切さを教えており、実社会で必ず役に立つ」と蔡さん。坂本さんは、大学でバレエに取り組むことで「自分を表現する意識が出る。姿勢や歩き方も改善され、美しく見せることにつながる」と話す。
ダンスの授業を受ける文化表現学部日本文化創造学科1年の中野愛里鈴(ありす)さん(18)は中学までバレエを習っていた。将来の夢は幼い頃から続ける書道の教師。書道を学びながら、好きなダンスも教わりたいと大学を決めた。「両立させてがんばりたいと思った。ダンスが単位になるのはとても良い」と話す。
■才能を活用でき…