1粒1万円――。佐賀県が売り出し中のイチゴの新品種「いちごさん」の贈答用が7日、大阪市中央卸売市場で1箱15万3千円で競り落とされた。15粒入り、約450グラム。前日の東京・大田市場でのご祝儀相場より、さらに10倍の値だ。
この日早朝、市場本場で池田英雄副知事やJAさがの大島信之組合長らがPR。その後、大阪市の「中惣」が、この値で競り落とした。県によると、同社の林秀人営業部長は「食味が良かった。今後の佐賀県農産物の発展を期待し、先陣を切って15万3千円の値段をつけた」と話したという。
6日には東京都中央卸売市場大田市場に初出荷され、初競りで贈答用に1万5300円の値がついていた。県の担当者は大阪でついた値に「最初は1ケタ間違っているのかなと思った。こんな値段はついたことがないし、今後もつかないのでは」と驚いていた。
いちごさんは県やJAが7年かけて開発し、11月から大阪や福岡などの市場に順次出荷されている。(黒田健朗)