熊本県北部の県立高校3年の女子生徒(当時17)が5月、いじめをうかがわせる遺書を残して自殺した問題で、県教委の第三者機関が20日、中間報告をまとめた。授業中に複数の生徒が「死ねばいい」などと発言していたと認定した。ただ、いじめかどうかについては触れなかった。
県いじめ防止対策審議会(会長=岩永靖・九州ルーテル学院大准教授)が県教育長に答申し、女子生徒の遺族に報告した。
県教委によると、女子生徒は5月17日、午前中の授業後に体調不良を訴え早退。数時間後、自宅で意識を失っているところを祖母が見つけ、病院に運ばれたが18日に亡くなった。
遺族によると、居間に遺書が残され、同級生から「よう学校に来られるね」「死ねばいいのに」などの言葉を浴びせられ、「誤解なのに」「とても苦しかった」「もう死にたい」と書かれていた。女子生徒が自殺した後の学校による調査では、同級生からの暴言があり、インスタグラムでのやりとりが暴言の背景になったとの指摘があったという。
審議会は6月に第1回の会合を開き、同級生や友人、教職員への聞き取り調査をしてきた。
遺族は審議会の委員について、遺族が推薦するメンバーを含めるよう求めていたが、県教委は応じなかった。これまでに委員3人が「審議される事案の関係者と関わりがある」「体調不良」などの理由で交代していた。(池上桃子)