創業64年、東京・高田馬場の人気中華料理店「餃子(ギョーザ)荘ムロ」のおかみ、岩室純子(すみこ)さん(83)には別の顔がある。今年、音楽でダンスフロアをわかす「最高齢のDJ」としてギネス世界記録に認定された。閉店後に向かうのは大勢の若者たちが踊るクラブだ。
重低音が響き、極彩色の光がきらめく。深夜1時すぎ、東京・歌舞伎町のクラブ「DecaBarZ(デカバーゼット)」のステージ上では女性ダンサーが腰をくねらせ、その前で大勢の外国人客らが酒を片手に体を揺らす。
DJブースから盛り上げるのは、金髪のカツラにサングラス姿の岩室さん。テクノやロックなどの洋楽を、機材を巧みに操ってつなぎ合わせていく。月2回ほど、このクラブに出演する。
フランス人のクラブ経営者、アドリアン・ルダヌワさん(38)は「客の反応を見ながら、テンポに強弱をつけて音楽の波を起こす本物のDJ」と評する。
77歳のとき、本名から取った…