今年の夏、記者(35)は三女を授かりました。妻(33)の希望で、初めて無痛分娩(ぶんべん)での出産を選択。「自然」分娩とはまるで違う、穏やかな出産に驚きましたが、事故の報道などの影響から、不安視する向きもあるようです。
「痛みはどう?」「全然ないよ」
青森市の産婦人科「レディスクリニック・セントセシリア」の分娩室で、記者は、三女の出産を目前に控えた妻とそんな会話を交わした。出産の立ち会いは長女(7)、次女(5)に続き3回目だが、初めて無痛分娩を選んだ妻の余裕ぶりに驚いた。
7年前の長女の時は、お産が長引き、「苦しい」「痛い」と叫ぶ妻に何もできない自分の無力さから泣けてきた。それに比べてこの日は、立ち会った長女と次女がおっかなびっくりで耳を塞いでいる様子がおかしくて、分娩室に大人たちの笑い声が響くような、和やかな雰囲気だ。
妻は三女を身ごもったころには、無痛分娩を選択肢に入れていたという。
「痛みを伴って初めて母性が生まれる」「自然の摂理に逆らっている」。そんな慎重意見があるのは記者も知っていた。無痛分娩にかかわる事故の報道も目にしていたので、不安がなかったわけではない。
だが、三女はまもなく取り上げ…