ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産になった秋田県男鹿市の「男鹿のナマハゲ」が大みそかの12月31日夜、約80地区であった。ナマハゲのなり手は男性に限られてきたが、男鹿半島南部の羽立(はだち)駅前地区では、女性のナマハゲを提案する声が上がった。だが、慣習を変えることへの抵抗は強く、実現しなかった。
女性なれぬナマハゲ「やらせでみようか」 歴史変わるか
兵庫県明石市出身で市地域おこし協力隊の大谷心(こころ)さん(24)はナマハゲにひかれ、2017年に男鹿市に移住。羽立駅前地区のナマハゲのデザインを頼まれ、制作にも参加。ナマハゲにのめり込む姿を見た地区の一部の人が大谷さんにナマハゲをやってもらおうと提案した。しかし、「女性のナマハゲは、見たことがない」と賛同が広がらず、大谷さんもその雰囲気を察し、受け入れた。
31日は大谷さんはなり手の男性に「ケデ」と呼ばれる衣装を着せ、ナマハゲの後について集落の家々を訪ねた。ナマハゲたちが「ウォー、いい子にしでるがー」と叫び、座敷でもてなされる姿を見守った。
ナマハゲ行事では、女性が面を…