東京と千葉を結ぶ第二東京湾岸道路の建設計画について、石井啓一国土交通相は17日、建設へ向けた検討会を設置する方針を示した。建設ルート上にあった東京湾最奥部にある干潟「三番瀬」の埋め立て計画が白紙撤回され、宙に浮いたままとなっていた計画が18年ぶりに動き出す。
「第二湾岸を中心とした湾岸地区道路の検討会を設置して検討を加速したい」
この日、省内で建設計画の具体化を要望した森田健作知事に対し、石井国交相はこう答えた。今後、具体的なルートや工法について検討が始まる。千葉県内では、東関東自動車道や京葉道路で交通渋滞が慢性化しており、県は渋滞解消や地域の活性化のため、新たな道路網の整備を要請していた。
第二東京湾岸道路は、東関東道の南側に並行するように東京湾岸を巡る自動車専用道路。沼田武知事時代に構想が練られ、1994年、国が第二湾岸を地域高規格道路の候補路線として指定。整備に向けた具体的な検討が始まった。
第二湾岸は、千葉県市川市と同県船橋市の沖に広がり、渡り鳥の中継地とされる三番瀬を埋め立てて通るルートが候補に挙がっていた。ところが2001年、三番瀬の埋め立て計画の白紙撤回を公約した堂本暁子知事が当選すると、埋め立て計画を中止。これと同時に、第二湾岸の建設計画が宙に浮いた状態となった。
一方、県は国への重点要望として、第二湾岸の整備を求めてきており、今回、18年ぶりに検討再開に至った。森田知事は「第二東京湾岸道路を軸とした道路ネットワークは渋滞解消につながる。人と物の流れがスムーズになる」と話し、地域経済の活性化につながると期待を寄せた。
県は今後、県内の関係首長に理解を求めたり、整備に向けた委員会を設置したりすることを検討する。(上田雅文)
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