名古屋市は、消費税率が10%に上がる10月1日から市営地下鉄の運賃を上げる方針を固めた。20年余りにわたって200円としてきた初乗り運賃を10円アップする。19日開会予定の2月定例市議会に条例改正案を提出する。
市交通局によると、料金改定は消費税率が8%になった2014年以来。地下鉄の初乗り運賃(3キロまで)は、1996年4月から200円としてきたが、今年10月から210円にする。3キロを超えて11キロまでは現行運賃を据え置き、11キロを超えると10円上乗せする。バス運賃は5年前に10円値上げしたため、現行の一律210円を据え置く。
地下鉄・バスともに1日乗車券や通勤定期券を値上げする。地下鉄の栄―星ケ丘の通勤定期(1カ月)は、1万280円から1万470円になる。主に休日に地下鉄とバスが1日乗り放題になる「ドニチエコきっぷ」も600円から620円に引き上げる。
一方、子育て世代の負担を増やさないよう、通学定期券を地下鉄は高校生まで、バスは大学生も含めて据え置く。
一部を据え置いたことで、市交通局は地下鉄で年6533万円、バスで年4684万円を負担することになるが、担当者は「誘客や費用抑制などの内部努力で何とか賄いたい」と話している。(関謙次)