台湾南部の台南市塩水区で18日夜、100万本を超えるロケット花火を打ち上げて災いを追い払う恒例の祭りが始まった。旧暦の1月15日「元宵節(げんしょうせつ)」(今月19日)に合わせた行事で、火薬の破裂音や煙が2日間にわたって街を覆う。
飛び交うロケット花火が体に当たると「幸運」ともされており、参加者はヘルメットや厚手の上着、手袋を身に着けて花火の打ち上げ台の前に立つ。台湾で「最も危険な祭り」と形容され、例年、数万人の観光客が集まる。
中国の武将、関羽らをまつる地元の「塩水武廟(びょう)」の行事。清朝末期の19世紀に疫病がはやったとき、大量の爆竹を鳴らして、無事を祈ったことが起源という。
ヘルメットをかぶって参加した地元大学の4年生、洪伯侖さん(21)は「年の初めに身を清めに来た。卒業後の仕事が、すぐに見つかると良いな」と話した。(台南=西本秀)