参加資格のない部員を選手登録し、学校から無期限謹慎処分を受けた東福岡高校(福岡市)ボクシング部の前監督が、女性に暴力をふるったとして、福岡県ボクシング連盟から2016年に除名処分を受けていたことが分かった。ただ県連盟は、日本連盟から復帰を指示する山根明会長(当時)名の文書などが届いたため、1年足らずで処分を解除していた。
県連盟によると、前監督は15年7月、福岡市内の飲食店で女性従業員を転倒させ、女性に覆いかぶさって腹部を数回殴ったという。県連盟は15年9月に理事職を解き、16年3月に除名処分(永久追放)とした。
しかし同年5月、日本連盟から県連盟職に残すよう求める文書が届き、「戻さなければ強制的な指導を行う」といった要請も複数回あったという。山根前会長からの電話もあり、県連盟は17年1月に処分を解除した。
同校も、匿名の情報提供を受けて前監督に聞き取りをしたが、「酒を飲んでいて覚えていない」と説明を受け、それ以上の調査はしなかった。県連盟の処分を受けて16年度はコーチに降格させたが、「ほかに経験者がいなかった」として部活指導は継続させ、県連盟の処分解除後の17年4月に監督に復帰させた。
前監督は昨年11月の福岡県高校新人競技大会に、参加資格を満たさない1年生部員6人を不正に選手登録。同校は、大会直後の11月12日付で監督を解任し、無期限謹慎処分にした。(甲斐弘史、木下広大)