韓国の康京和(カンギョンファ)外相は25日、ジュネーブで始まった国連人権理事会の定例会合で演説し、慰安婦問題を取り上げた。これまでの取り組みは「被害者中心のアプローチ」が大きく欠けていたと述べ、「正義を願う被害者たちを支援する」とした。
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康氏は演説で、紛争地での性暴力撲滅を訴えたナディア・ムラドさんとデニ・ムクウェゲ医師が昨年のノーベル平和賞を受賞したことに触れ、今年1月に死去した元慰安婦の金福童(キムボクトン)さんが受賞のニュースを病床で喜んだだろうと述べた。
康氏は昨年発足させた新組織「女性と共にする平和イニシアチブ」を通じ、紛争地域の女性に対する性暴力問題に取り組むとし、問題の重要性を訴える最初の会合を年内に開くとした。
康氏は、演説の中で日本を名指ししなかった。
康外相は昨年も同時期に人権理事会で慰安婦問題に言及。2015年の日韓合意は、両国が「国際社会において、互いに非難・批判することは控える」としていることから、日本政府は韓国側の動きは合意の精神に反するとして抗議した。(ウィーン=吉武祐)