奈良市山陵町にある私立中高一貫校、東大寺学園中・高等学校。テレビ番組「全国高等学校クイズ選手権」(高校生クイズ)で優勝も経験した強豪校だ。2018年は奈良県代表の座を逃したが、クイズ研究部の部員たちは日々、難問を解くことに余念がない。
2月、放課後の教室で、クイズ研究部の部員18人が練習していた。過去のクイズ大会で出題された問題をスマートフォンに表示し、出題者役の生徒が読み上げる。
「問題。イギリスのドラマ『Mr.ビーン』……」
「ローワン・アトキンソン!」
「正解!」
解答者役の部員は机のボタンを押し、コメディーの主役を演じた英国の俳優の名前を難なく答えた。
「クイズには知識力だけではなくて、早押し力も必要なんです」と顧問の濱謙二郎先生。ポイントとなる言葉の1文字目を聞いて、すぐに反応する力が必要だそうだ。
クイズ研究部は1986年ごろ、同好会として始まり、2003年に部に昇格。各都道府県の代表校などが全国優勝を争う高校生クイズは、過去に2度優勝している。
高校2年生の9月の文化祭で引退するため、現在は中学1年生から高校1年生までが活動する。出席は自由で、部員数は約30人。平日はほぼ毎日2時間、早押しクイズの練習をする。
濱先生が太鼓判を押すエースが…