「建築のノーベル賞」とも言われるプリツカー賞の受賞が決まった建築家の磯崎新さん(87)。出身地の大分では、無名時代に手がけられた校舎が今も現役で使われている。設計をめぐって酒を酌み交わした仲間もいて、喜びを分かち合っている。
磯崎さんは大分市出身。市内では初期の代表作として、1966年に建てられた複合文化施設「アートプラザ」(旧大分県立大分図書館)が知られるが、同市岩田町1丁目の岩田中学・高校には、それより前にできた現存最古という磯崎作品の校舎があり、今も現役で使われている。コンクリート打ちっ放しの1、2号館が向かい合って並ぶ。
学園事務局によると、東京大大学院を卒業したばかりで無名の磯崎さんを応援しようと、息子と幼なじみだったという縁で学園の先々代の理事長が設計を頼んだという。03年に耐震補強をして、現在も中学1、2年生の校舎として使われている。
先々代は「形のあるものを造らないと、彼の名前が世に出ていかない」と考えていたという。磯崎さんが評価を高めた後も学園は80年代、2000年代に依頼。現在、磯崎さんの事務所が設計したものも含めて、校舎や寮、体育館など計6棟が磯崎さん関連の建物という。
学園は受賞をホームページで祝…