「日本一美しいカエル」と呼ばれる希少種のアマミイシカワガエルが、鹿児島・奄美大島の夜の渓流で「キョーッ」という美しい鳴き声を響かせている。
世界でこの島だけに生息する固有種。以前は沖縄本島にいるイシカワガエルと同種とされたが、外形やDNAを分析した結果、2011年に新種として認定された。鮮やかな緑に金のしずくを落としたような体色が美しく、ラテン語で「金色に輝くきれいなカエル」という意味の学名がつけられている。1~5月ごろの繁殖期の夜間、雄は「鳴囊(めいのう)」と呼ばれるのどの袋を膨らませて鳥が鳴くような甲高い声をあげ、雌を誘ったり、縄張りを主張したりする。
マニアの間で人気が高く、警視庁と鹿児島県警が種の保存法違反(捕獲)などの容疑で、このカエルを捕獲した東京都内のペットショップ店長らを逮捕する事件も起きている。地元の自然保護関係者は「島の宝。静かに見守って」と訴えている。(外尾誠)