映画「翔(と)んで埼玉」が大ヒットを続けている。「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ」といった過激な言葉で埼玉を田舎だとディスる(侮辱する)内容だ。だが劇中では、千葉も、かなりディスられている。一体、どういうことなのか?
全国で「自虐」がはやる理由
舞台は、埼玉や千葉など関東周辺の県が東京から迫害を受けている架空の日本だ。GACKTさんが演じる埼玉出身の主人公は、埼玉県民への差別の撤廃をもくろむ「埼玉解放戦線」のリーダー。埼玉を解放するため、ライバルの「千葉解放戦線」や東京と抗争を繰り広げる、という物語だ。
映画を手がけたのは、千葉市出身の武内英樹監督(52)だ。小学1年から大学卒業までを過ごした。家は千葉港の近くにあり、学校帰りに自転車でよく釣りに行った。千葉駅近くにはパルコやそごうもあり、生活に不自由はなかった。
「それでも、田舎者のコンプレックスがあったんだよな」と武内監督。小学6年の遠足で、千葉ナンバーのバスに乗って東京観光をしたとき、都内の小学生から「田舎者が来た」と笑われたことが、今でも忘れられないという。
都内の大学に進学した後も自宅…