フィギュアスケートの羽生結弦選手(24)の五輪連覇を記念した仙台市営地下鉄の1日乗車券が、インターネットオークションで定価を上回る高値で転売されている。羽生選手は仙台を訪れた際、「転売されていろいろ申し訳ありません」と話したと、郡和子市長が23日の定例記者会見で明らかにした。
市交通局などによると、1日乗車券は20日に仙台駅などで定価1500円で約6千セット販売。羽生選手のポストカード3枚がついており、その数日前からオークションサイトに「発売後に郵送します」などと高値の出品が相次いだ。
羽生選手は20日、連覇を記念した市のモニュメントのデザイン発表会に出席した。郡市長によると、式典前に控室で会った際、開口一番に転売について触れたという。郡市長は「羽生さんにとって残念なことだったのだろう。転売はやめていただければ」と話した。
大手オークションサイト「ヤフオク!」では23日現在、「仙台限定」などとして1日乗車券が約40件出品されており、5千円以上での出品もあった。ガイドラインでは、転売目的の興行チケットなどの出品を禁じており、違反出品は削除されるが、今回がガイドラインに違反するかは「わからない」(広報)という。
市交通局は今回、乗車券を5万セット用意した。20日の窓口販売分以外は通信販売で2500円(送料込み)で受け付け、27日からの2次募集は3万セット分の申込枠がある。交通局は「十分用意しており、正規のルートで買ってほしい」と呼びかけている。(藤井詢也)