北九州市小倉北区の認可外保育施設で今年、カナダ人の40代の男性講師が幼児をたたくなどの虐待行為をしていたことがわかった。施設側の弁護士が暴行を認めた。北九州市は14日に立ち入り調査をし、施設側に口頭で改善を指導した。
施設で働いていた別の男性が今月、暴行の様子を撮影した動画をSNS上に投稿したことから発覚。動画には幼児の服をつかんで、平手でたたく様子が映し出されている。男性によると、今年3月中旬ごろだという。これとは別に、幼児を粘着テープで縛る行為もあったとしている。
北九州市は市民からの情報提供をもとに、4月16日と今月14日に施設への立ち入り調査を実施。市によると、施設側は動画投稿前の4月には事実関係を否定したが、5月には認め、幼児のお尻をたたいたり、首の付近を引っ張ったりした行為を「不適切な対応だった」と説明したという。
施設の代理人の弁護士は取材に対し、「暴行行為があったのは事実。男性も認めている。日常的だったかどうかは把握できていない。監視カメラを設置して指導風景を可視化することや、施設を存続するかどうかも検討する」などと話した。
市によると、定数40人に対し幼児は32人で、保育士の必要数は満たしているという。カナダ人の講師は英語を教えていた。
市保育課は「子どもに対する不適切な対応」とし、今後も定期的に状況を確認していくという。(井石栄司、布田一樹)