米やパンといった主食をとらず、たんぱく質などでカロリーを補う「糖質制限」を長期間続けると、老化が早まる可能性があることが、東北大の都築毅准教授(食品機能学)らのマウスを使った実験でわかった。静岡市で開かれている日本栄養・食糧学会の大会で19日に発表する。
糖質制限は、短期間行うと内臓脂肪を減らしたり、血糖値を下げたりする効果が報告されている。
都築さんらは寿命が約1年のマウスを3グループに分け、合計のカロリーは同じで内訳を「標準的」「低糖質・高脂肪」「低糖質・高たんぱく」にした飼料をそれぞれ与えた。「低糖質・高たんぱく」の飼料は、糖質によるカロリーは2割に抑え、残りを乳たんぱくで補った。人間が3食全て主食を抜いた状態に相当する厳しい糖質制限だ。
その結果、「低糖質・高たんぱく」のマウスは、「標準的」と比べて寿命が約2割(8~9週間)短かった。腸内で乳酸をつくる細菌が減っており、腸内環境が悪化してがんなどになりやすかったとみられる。短期の記憶力を測ると「標準的」のマウスに比べ、半分程度だった。
都築准教授は「人間でも糖質制…