宮城県教育委員会は20日、県立名取支援学校高等部(名取市)の生徒が通学バス内で心肺停止になり、死亡したと発表した。生徒は難病「先天性筋ジストロフィー」患者で、たんがのどにつまったことによる窒息死とみられる。
県教委によると17日午前8時21分、通学バスに同乗する保安員が、生徒の顔色が優れないことに気付いた。呼びかけても反応が悪いため学校に連絡したが、学校の指示で保安員が119番通報したのは16分後。救急車が到着した8時50分には心肺停止状態だった。
生徒は学校で1日3回ほどたんの吸引の医療的ケアを受けている。通報までの時間について、県教委は「生徒は約10年バス通学しており、窒息を想像できなかった。校内の連絡にも時間がかかった」と釈明。保護者に謝罪したという。遠藤浩一校長は「教員の力量不足だった。もっと短い時間で通報できるよう取り組みたい」と話す。(井上充昌)