ドイツで人気の若手ユーチューバーがメルケル首相の与党・キリスト教民主同盟(CDU)を批判する動画をインターネット上にアップしたところ、5日間で540万回以上も視聴された。CDUは影響力を無視できなくなり、A4で11ページに及ぶ長文の反論を23日、党の公式ホームページに公表する羽目になった。
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ドイツでは26日投開票の欧州議会選で、CDUが第1党を維持するものの、2014年の前回選挙より議席を減らすと見込まれている。党員は中高年が多く、若者への浸透が課題になっており、たった一人の若者の「抗議」に異例の対応を迫られたようだ。
このユーチューバーは「Rezo(レゾ)」と名乗る26歳の男性。青い髪にキャップをかぶり、「CDUの破壊」と題した約55分間の動画を18日にアップした。欧州議会選を前に各党の政策を数週間、研究したうえでつくったという。
軽音楽をバックに「CDUは私たちの生活や将来を破壊している」と主張。政府の下で貧富の格差が広がり、気候変動対策も遅れているなどと、激しい身ぶり手ぶりでまくし立てた。欧州議会選の結果は重要な打撃になるとして、「選挙には参加するべきだ」と呼びかけた。動画の反響はすさまじく、動画につくコメントも10万件超に上っている。
CDU側は「Rezoへの回答…