バージンロードでパシャリ、指輪交換でパシャリ、ケーキカットでパシャリ――カメラやスマートフォンのシャッター音が鳴り響くのがおなじみの結婚式。そんななか、海外ではカメラやスマートフォンの使用を禁止する結婚式が広がってきている。「アンプラグド(電源を抜いた)」や「デバイスフリー(電子機器なし)」と呼ばれる。せっかくの晴れの舞台を写真に収めたいのになぜ?
昨年10月20日、米カリフォルニア州の海辺で行われたエイミー・ハートスタインさん(30)と、マイケル・ウィンタースさん(30)の結婚式。司会者が式の冒頭、集まった出席者たちにこう言い渡した。
「みなさん、どうぞ電子機器やスマホをしまってください。そしてこの2人との時間を楽しみましょう。会場にはなんと、この特別な日を記録するために、2人以上のカメラマンと、ビデオ撮影のカメラマンまでいます。プロに任せましょう」
出席者はその言葉に従い、あたたかい雰囲気の中で式が行われた。新郎新婦にスマホをかざす出席者の姿はどこにもなかった。
なぜこのような結婚式にしたのか。新郎新婦は言う。「友人の多くが『デバイスフリー』で結婚式をしていて、いいなと思ったのがきっかけ。とても一般的になっている」(エイミーさん)。「出席してくれる人に、撮影に夢中になるのではなく、その場を楽しんでほしかった。僕たち自身も、式の途中で会場を見渡した時、スマホじゃなくて家族や友達の笑顔を見たかったから」(マイケルさん)。
画像共有サイト「ピンタレスト」では、「スマホを持ち込まないで」と伝える結婚式用メッセージボードのアイデアが多く紹介されている。
豪ABCテレビは昨年配信の記…