2018年度から小学3年と4年で、英語に親しむための「外国語活動」が始まった。だが、もっと幼いうちから、もっと本格的に学ばせたいと考える保護者が増えているようだ。その現場を訪ねた。 名古屋市にあるノーボーダーズインターナショナルスクール千種駅前校。「英語で生活する幼児園」で、年長クラスでお気に入りのおもちゃを紹介した5歳の女の子に、友達から次々と英語で質問が飛ぶ。全日制の年少~年長向けコースでは週5日、朝から昼過ぎまで、発音と文字を結びつけて英語を学ぶ「フォニックス」の時間はもちろん、図工や体育の時も、昼食や休憩も英語で過ごす。 「英語は自然に身に付きます。それ以上に重視するのは子どものEQ(心の知能指数)を高めること」とケン・ゲール学園長は言う。「講師が一方的に教えるのではなく、子どもを中心に据え、主体的に考えてもらうのです」 社会人向け英会話スクールや子ども向け英会話教室を運営するノーボーダーズ(名古屋市)が全日制の年少~年長向けコースを開設したのは2013年。当時、園児は7人だった。今では愛知県内の4校舎に144人が通う。「想像以上の伸び。グローバル化に伴い、親たちが週1回の習い事では足りないと感じ始めた」とゲール学園長は分析する。英語が堪能ではない保護者も多く、「我が子にはペラペラに」と願って1~3歳向けコースから通わせる人が多いという。 「英語で何をするか。その中身を重視している」。そう話すのは名古屋市で未就学児向けインターナショナルスクール(英語の幼児園)や大学生までの英会話教室を展開するアライブ(名古屋市)の三井博美代表だ。01年の創立時十数人だった生徒は今では約1400人。当時から「話せるようになる英会話教室」を掲げてきたが、近年は自分の意見を持ち、伝えられるような授業にも注力する。 その一つが「クリエーティブシンキング&ディスカバリー」。小学生が対象で、社会の仕組みや科学現象を英語で学びながら議論する。4月にあった授業では、小学1、2年の6人が植物の構造を学びながら、根や茎の役割について気づいたことを話し合っていた。「自分の考えがなければ『I don’t know』で終わってしまう。意見を持ち、殻を破って発信できる子を育てたい」と三井代表は言う。 家庭用教材にも早期化の流れがきている。教育関連大手のベネッセは昨年、英語教材「こどもちゃれんじEnglish」に1、2歳向けコースを新設した。受講者には2カ月に一度、英語の音やリズムに触れられるおもちゃやDVD、絵本などが届く。もともとは2、3歳向けのコースからだったが、1、2歳の受講者が少なくなく、市場調査でも1、2歳の保護者から英語教材を求める声があり、開発に至ったという。 子どもの英語、何歳から? そもそも英語は小学校入学前に始めたほうがいいのか。NHK教育の幼児向け番組「えいごであそぼwith Orton」で総合指導を担当する玉川大大学院の佐藤久美子名誉教授(心理言語学・英語教育)は「聞き取りや発音の面で言うと就学前に始めるのがおすすめ。英語と日本語の区別がまだなく、抵抗感もない。でも小学生が手遅れというわけではない」と話す。英語が使えるようになりたいと意欲をもって学べば、小学生から始めても話せるようになるという。 子どもに英語に触れさせたいと思った時は「歌や絵本、テレビ番組など身近なところから始めるのがいい」と佐藤教授。単に見せたり、流したりするのではなく、保護者が一緒に楽しみ、英語の単語やフレーズを繰り返し語りかけることで、子どもに定着しやすくなるという。そして「短い時間でも毎日続けることが大切」と指摘する。「親が楽しそうだと子どもも伸びる。英語が苦手な親はこの際、子どもと一緒に学ぼうという心持ちでいるのがいいのではないでしょうか」。また、教材や教室を選ぶ時は色々試したうえで、親子の性格的、経済的、環境的に負担にならないものがいいという。(浦島千佳) |
「我が子をペラペラに」 高まる幼少期からの英語教育熱
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