ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産の国別登録数が最も多かったイタリアに、ついに中国が追いついた。アゼルバイジャンで開催中の世界遺産委員会で、中国の登録数が55件となり、イタリアと並んで1位となった。
今委員会前まで、総数で1092件のうち、イタリアはフィレンツェ歴史地区やベネチア、ポンペイ遺跡など54件、中国は万里の長城や故宮博物院、秦始皇帝陵・兵馬俑(へいばよう)坑など53件だった。
今回新たに中国が推薦した自然遺産「黄海―渤海沿岸の渡り鳥保護区」と文化遺産「良渚遺跡」の2件の登録が決まった。渡り鳥保護区は、ユネスコの諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)から抜本的な見直しが必要な「登録延期」の勧告を受けていたが、委員国による議論の末に逆転での登録を勝ち取った。
世界遺産新規登録の審議期間は5~7日で、6日の段階でいったん中国がイタリアを抜いたが、最終日にイタリアの文化遺産「プロセッコ・ディ・コネリアーノ・ヴァルドッビアデーネの丘」の登録が決まった。両国がトップタイで並んで終了となった。(上田真由美)