6600万年以上も前の恐竜世界へようこそ――。東京・上野の国立科学博物館で13日から始まる「恐竜博2019」(朝日新聞社など主催)の開会式と内覧会が12日、開かれた。
北海道むかわ町にある約7200万年前の地層で見つかった「むかわ竜(通称)」は、全長8メートル以上の骨格の約8割がそろい、近年、大きな話題になった。大型草食恐竜ハドロサウルス科に属するとされ、全身の実物化石と、それをもとに復元した全身骨格が、町の外で初めて公開される。
約50年前にモンゴル・ゴビ砂漠で見つかったデイノケイルスの展示も目を引く。2・4メートルという巨大な前あしの化石から「恐ろしい手」を意味する学名がついたものの、長く「ナゾの恐竜」とされていた。
それが2000年代で頭部や胴体を含む化石が発見され、「手」からは想像もできなかった姿であることが分かってきた。会場では頭部などの実物化石と、全長約11メートルの全身を復元した骨格が披露される。世界初の公開だという。
肉食恐竜デイノニクスの展示も見逃せない。米国の古生物学者ジョン・オストロム博士(1928~2005)の研究から、鳥のような恒温動物だったと考えられ、博士が「鳥類の恐竜起源説」を提唱するもとになった。米国の博物館が所蔵する「左あし」のホロタイプ標本(完模式標本)や、「手首」の実物化石が日本でお披露目されるのは初めてになる。
このほかにも、いろんな恐竜の貴重な実物化石や全身復元骨格が、恐竜の生きた時代を描く映像などとともに披露されており、恐竜の色、性別、生態、絶滅のナゾなど、約50年にわたる世界的な恐竜学の進歩をたどる仕掛けになっている。
10月14日まで。会場内は、一定のルールを守れば撮影OK。一般1600円など。音声ガイド(税込み550円)あり。図録やフィギュアなども販売。詳細は公式サイト(
https://dino2019.jp/
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