来春の高校卒業者に対する7月末現在の求人数は、前年同期比28.4%増の18万7660人、求人倍率は同0.21ポイント上昇の0.90倍で、高卒者の就職環境が改善していることが9日、厚生労働省の調査で明らかになった。同省若年者雇用対策室は「企業の経営状態が良くなったこととともに、団塊の世代が定年を迎え大量に退職する07年問題が、求人増に反映している」と分析している。
求人数は前年同期に比べ約4万人増え、求職者数は約3900人少ない20万7737人。92年3月卒の求人数152万人、求人倍率3.08倍をピークに下落傾向にあったが、03年3月卒の11万5320人、0.50倍を底に上昇へ転じ、今回の求人倍率は99年3月卒(0.98倍)に近い水準まで回復した。
地域別にみると、求人数は東海が前年同期比42.6%、北陸35.3%、山陽35.0%と大きく増やし、北海道以外は前年同期を上回った。求人倍率は京浜の2.47倍をはじめ東海、京阪神、北陸が1倍を超えた。
中学生への求人は848人(前年同期比32.7%増)、求職者は3873人(同11.1%減)、求人倍率は0.22倍(同0.07ポイント上昇)で、中学生も改善している。高校生の採用活動は今月16日、中学生は来年1月1日に解禁される。
また、今春の高卒者の就職状況(6月末現在)は、求人数25万8000人、求職者数17万6000人、就職者数17万1000人で2年連続して増加し、求人倍率は1.46倍(前年同期比0.16ポイント上昇)だった。求人数は製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、金融・保険業で大きく増えた。【大石雅康】
毎日新聞 2005年9月9日 22時49分