宅配便大手「佐川急便」(本社・京都市)が実際には下請け業者から労働者の派遣を受けていたにもかかわらず、下請け業者との業務委託契約の形にしていたとして、厚生労働省東京労働局から労働者派遣法に基づく是正指導を受けていたことが22日、わかった。
同労働局などによると、昨年8月、労働基準監督署が同社杉並店に監査に入った際、集配業務で下請け業者数社と業務委託契約を結んでいたにもかかわらず、下請け業者社員に対して支店が直接指揮・命令を出していた事実が判明した。これについて、同労働局は今年2月、労働者派遣にあたるとして是正指導した。
さらに、本社を管轄する京都労働局の指導で同社が全国の支店を点検した結果、計333事業所のうち259カ所で同様のケースを含む不適切な契約があり、改善報告書を提出したという。同社広報部は「今回の指導を真摯(しんし)に受け止め、自主点検を継続していく」と話している。【田中義宏】