【北京・大谷麻由美】中国国家統計局は20日、05年1~9月の国内総生産(GDP、速報値)の成長率が実質で前年同期比9.4%の伸びになったと発表した。第3四半期(7~9月)も9.4%で、9四半期連続で9%を上回る高成長となった。3年連続で成長率9%を記録するのは確実とみられる。輸出は依然として高い伸びを記録し、7月の人民元改革の影響はほとんどなかった。
1~9月の固定資産投資は前年同期比26.1%増で、景気過熱への懸念は消えていない。石炭関連が76.8%、石油・天然ガス関連が31.3%伸び、エネルギー関連の伸びが引き続き高い。都市部の不動産投資は22.2%増えた。
個人消費の伸びを示す小売総額は13.0%の伸びで、昨年年間の13.3%増とほぼ同じペース。消費者物価上昇率は2.0%で、昨年の3.9%より鈍化している。
貿易総額は1兆245億ドル(約118兆円)と、昨年より2カ月早く1兆ドルを突破した。輸出は31.3%増の5464億ドル(約63兆円)。輸入は16.0%増の4781億ドル(約55兆円)にとどまった。貿易黒字は683億ドルで、04年の貿易黒字約320億ドルの倍以上となった。
海外からの直接投資は実行額で432億ドルで、前年同期を2.1%下回った。